世界が熱狂するe-sportsのシーン。
世界・日本での人気は?プロの活躍は?

世界全体で考えると、e-sportsはスポーツとして非常に高い人気を博していることを知っていましたか?
各地で盛大に大会が行われ、これからも日本での成長が期待されているのが、e-sportsなのです。

世界の多くの人が観戦するe-sports

オランダの調査会社「Newzoo」のレポートによれば、全世界でのe-sports大会・イベントを頻繁に観戦する人は年々増え続け、2016年には1億3100万人まで達しました。一時的に大きいイベントのみ観戦する視聴者も1億2500人ほどと、非常に多いです。
さらに、アジア太平洋地域の視聴者は全世界の44%もの割合を占めています。

キャプション世界でのe-sports視聴者の増加傾向(Image Credit: Newzoo)

参考2016年、eスポーツ市場は43%増加し4億6300万米ドルに、2019年には11億米ドルに達する見込み【レポート】
(The Bridge)

特に人気のe-sports「League of Legends」の1ヶ月のアクティブユーザー(インターネット上でプレイしている人)は、2014年時点で約6700万人以上にものぼります。

参考League of Legends」(Wikipedia英語版)

世界中の人と共通の話題として、また視聴者同士・プレイヤーとして盛り上がることができる可能性を秘めているのが、e-sportsなのです。
グローバルなコミュニケーション手段としてとても役に立ちます。

さらに、YoutubeやTwitch(e-sports/ゲーム配信に特化したストリーミングサービス)では数多くのe-sportsの大会を観戦することができます。
世界各国の大勢の観客がオンライン上のチャット機能を使い、大会を盛り上げています。

e-sportsの大会の賞金は?プロ選手の年収は?

2017年にアメリカで行われた「The International2017」では、なんと賞金総額約24億米ドル(およそ27億円)の金額が賞金として発生しました。優勝者は約1億米ドル(約110億円)もの賞金がかけられ、盛大に行われました。

参考eスポーツの大会とは?賞金は最高11億円!

プロ選手の中には、スポンサーからの給料や賞金など、e-sportsだけで総計億単位の収入を得る人もいます。世界で一握りのトッププレイヤーともなると、3〜4億といった数字が並びます。

キャプション1位のプレイヤーは約4億円を稼いでいる!
参考esports earnings

e-sportsに対する各国の取り組み。
学校教育にも!?

アメリカではすでにスポーツとして認められ、アスリートビザの発行や「e-sports奨学金」の制度が始まったりと、行政面でのサポートも手厚いです。

海外では、私立学校でもe-sportsが選択授業として取り入れられている学校があります。さらに、ノルウェーでは公立学校までもe-sportsを選択科目として取り入れ、注目されています。
授業ではパソコンでe-sportsをプレイする以外に、瞬発力などを養うための筋力トレーニングの時間を取るそうです。

参考選択授業で「ゲーム」が選べる公立高校が登場、プレイ候補はリーグ・オブ・レジェンドやスタークラフト2など

日本でのe-sportsへの取り組み

こうした世界的な盛り上がりを受け、日本でも本格的にe-sportsを盛り上げるための団体が生まれてきています。

一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)は2018年2月1日より活動を開始し、eスポーツに関する研究や啓発、大会の認定やプロライセンスの発行を行なっています。

日本eスポーツ連合(JeSU) 公式サイトhttps://jesu.or.jp

e-sports(ゲーム)というと、ユーザーの課金やゲームの購入で市場が回っているというイメージもあるかもしれません。しかし、2018年の調査では、おおよそ75%もの市場の収益がスポンサーによって賄われています。
日本でもe-sportsが注目されるにつれ、通常のスポーツのように、プロチームや大会を支援する企業が徐々に増えてきています。

キャプション2018年の日本eスポーツ市場規模の割合 出典:Gzブレイン

また、2019年に行われる「いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会」でも、e-sportsの大会が行われることが決まりました。
国内での注目も集まりつつあり、これからの盛り上がりが見逃せません。

日本のe-sportsプレイヤーも世界大会で活躍!

2017年7月に開催された世界大会「EVO 2017」では人気格闘ゲーム「ストリートファイターV」の大会が行われ、日本人のときど選手が優勝しました。
さらに、この大会の決勝トーナメントでは上位8人中5人が日本人という結果を残しています。

参考【速報】[EVO2017]「ストリートファイターV」部門,優勝は日本のときど選手。優勝賞金として約3万6000ドルを獲得

日本人でも世界大会で活躍する選手が出てきており、国民が応援するスポーツの1つとして、これからますます目が離せません。

国際的なスポーツ大会で競技に採用されるe-sports。
オリンピックの正式種目にも?

世界での盛り上がりが強まる中、e-sportsは、国際的なスポーツ大会の種目にも選ばれています。
2018年、インドネシア・ジャカルタで行われたアジア競技大会では、参考競技として6つのゲームによる大会が行われました。また、オリンピックの競技としても採用が検討されています。
暴力的なゲームの排除や著作権の問題などがありつつも、これからの展開が楽しみな競技と言えます。

まとめ

e-sportsは、今や世界的に人気のスポーツとなっています。これからのグローバルな交流の場としても、無視できないものになるでしょう。

日本でも世界レベルのe-sportsプレイヤーが産まれ、文化としてもますます成長していくことが予測されます。
国内でも少しずつ盛り上がり、日本で最先端かつ伸び代のあるスポーツと言うこともできます。

世界とつながることができるe-sportsの世界を、ぜひ当アカデミーで体験してみてください。

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e-sports(ゲーム)は、
子どもたちの発達を助ける!

昔から「ゲームは身体に悪いし、頭が悪くなる」と言われています。暴力的なゲームや、長時間プレイすることでの健康状態の悪化を懸念する声もあります。

ところが最新の研究では、ゲームには様々な能力を高めるのに適していると実証されています。e-sportsには、高度な戦略や素早い動作を必要とするものも数多く、トレーニングとして一定の効果があります。
ここではゲームに関する研究のうち、いくつかを簡単に紹介します。

ゲームは脳の認知能力を鍛える

スイスのジュネーブ大学の教授、Daphne Bavelier氏らの研究では、被験者にテレビゲームを数週間にわたって1日1時間、週5日間アクションゲームをプレイしてもらいました。
結果、タスクの切り替えや注意力など、認知能力のテストの成績が上がったという研究結果があらわれています。

参考ゲームに意外な効能 脳の「認知力」アップ(日経サイエンス)

ドイツで行われた別の研究では、有名ゲーム「スーパーマリオ64」を一定期間被験者にプレイしてもらったところ、脳の情報処理が行われる灰白質が増加したという研究結果があります。
さらに同論文の中では、アルツハイマーや認知症、統合失調症への対策としても有用と述べています。

キャプション一番右のグラフでは、ゲームをプレイした被験者の脳の灰白質の増加を確認できます

参考Playing Super Mario induces structural brain plasticity: gray matter changes resulting from training with a commercial video game」 (Nature)

アクションゲームでは敵を避けたり、敵を正確に攻撃する必要があります。そのため、敵との位置関係を推測するための空間把握能力や、素早い戦略的な判断が鍛えられます。

身体を実際に動かすスポーツとは異なるものの、サッカーなどのチームスポーツでも、味方がどこにいるのか、相手チームはどのように動いてくるかなど、判断して瞬時に行動に移していく必要があります。
e-sportsでも、こうした能力を鍛えることは十分に可能です。

ゲームで基礎的な運動能力が向上する!?

「子供の頃から家でゲームばっかりしていると、運動ができなくなる」と考える方も多いと思います。
ただしゲームをすることで発達する運動能力もあります。

2012年に日本で行われた研究を1つ、紹介いたします。
この研究では、テレビゲームをしない子どもよりも好きな子どもの方が、反射神経が必要な単純な運動に対して早く反応できることがわかりました。
さらに、論文の中では先行研究を引用し、テレビゲームを行う子どもたちは、視覚や聴覚を運動に反映することが得意になったという研究結果について述べています。

参考幼児の敏捷性の発達に対するテレビゲーム及び運動遊びの影響

もし危険にさらされた時、素早く反応して自ら身を守ることはどんな時でも大事なスキルです。例えばボールが自分めがけて飛んできたときや自転車が高速で走ってきたときなど、活かせる場面は多いです。

チームワーク能力や学習能力を助けるゲーム

ゲームは一人で黙々と行うもので、友達関係に悪影響があると思う方もいるかもしれません。
しかしある研究では、ゲームをすることにより、チームワークの力や学習能力が高まるという研究結果が出ています。

イギリスの大学教授、Savvas Papagiannidis氏ほかが行った研究では、MMORPG(多人数のプレイヤーがインターネットを通じて同時にプレイするRPG)を頻繁にプレイする社会人と、そうでない社会人を対象に行われました。
結果、MMORPGをプレイする人はそうでない人と比べ、リーダーシップ能力や、アクティブラーニング能力(行動することで学習する能力)が高いという結果が出ました。

MMORPGは、「クエスト」と呼ばれる課題をクリアするためにオンライン上のチーム内で計画を練ったり、限りあるアイテムを駆使したりといった戦略的思考やチーム内での協力体制の確立が必要となります。
また、クエストに失敗した時、なぜ失敗したのか、次はどうすれば成功するのか、試行しながら学んでいくことを求められます。

参考Gamers Get Ahead in the Workplace

中京大学の研究者、高田佳輔氏が別の研究で分析したMMORPGの高難易度のクエストで求められる能力を以下の表のように分類しました。

キャプション:MMORPGで求められるスキルは、「チームワーク」と「合理的問題解決」

参考オンラインゲームコミュニティにおける合理的問題解決能力・チームワーク能力─Final Fantasy XIVの参与観察を通じて

健全にMMORPGを楽しむ能力は、例えば学校のクラスでのチームワークや、課題解決に向けて自ら行動する能力とも言えるのではないでしょうか。学生生活だけではなく、社会に出て仕事をするようになってからも確実に役にたつ能力と言えます。

e-sportsでは、チームで取り組むゲームもたくさんあります。難解な課題をチームで試行錯誤してクリアしていくことは、他には代え難い豊かな経験となるでしょう。

まとめ

ゲームは適切に楽しめば、認知能力や反射神経、チームワーク力の発達を促せることが研究により判明しています。

e-sportsでは暴力的なゲームは遊ばず、健全で、かつ戦略的な思考や瞬発力が必要となるゲームをプレイします。子どもたちの学校での学びにさらにe-sportsを加えることで、さらに発達を助けてくれます。
楽しみながら力がつくe-sportsを一度、ぜひ当アカデミーで体験してみてください。